
名人の雰囲気が伝わってくる
三遊亭円朝は、幕末から明治にかけて活躍した落語家で、
歴代の名人の中でも飛び抜けて巧かったと言われいる。
多くの新作落語を創作したことでも知られており、
本作はその中の代表作のひとつで、円朝が高座で演じているのを
速記し雑誌に載せたもの。
これが言文一致文学の始まりとも言われ、明治以降の文学に与えた影響は大きい。
とても読み易く、ほとんど違和感なく読める。
ストーリーは仇討ちの話が中心で、それに牡丹燈籠の怪談を巧みに繋ぎ合わせている。
非常に面白く良く出来た話だとは思うが、都合のよすぎる展開も目立った。
正直言って怪談のところもあまり怖くはない。
しかし名人の口演の雰囲気が伝わって来る感じがして、
読んでいて心地が良い。

江戸文化の精華
中国の有名な怪談の翻案である。但し幽霊話は作品の主軸ではなく、全体の主題は仇討ち話であるから、怪談と思って読むと勝手が違う。カランコロンの怪談の方は物語の前の方で終わってしまい、しかも何が何であったのか、判然としない。それだけを楽しみに本書を読んだ人には、欲求不満が募るはずである。
それでも、円朝の語りそのままと思しいこの作品には言い難い魅力があって、語り口の巧妙さに本を置くことができなかった。勧善懲悪の古典であってとりたてて仕掛けがあるわけでもないのに、読者を引き込む力が凄い。名人の高座、如何ばかりであったか、本書からでも幾分かは窺い知れるように思われる。
斯くして、文章はリズムがよく、大変読みやすい。難しい知識も要らないから、臆せず手にとって一読されることを勧める。平文で読める、江戸文化の精華であると言ってよい。

こいつは見事なり
歌舞伎を見たので読んでみましたが、全く別物ですなこれは。
円朝の高座での話を速記でしたためたもので、この時代の作なれども言文一致の見事な作品に仕上がっていることにまず驚嘆します。円朝の講談での流れるような台詞回しがそのまま写し取られているかのような、文章のリズムと流れの良さ。それに人物の台詞の言い回しの妙。
しかも、物語はいかにも江戸時代的なテーマが横たわる仇討ちの物語になっています。『怪談』とあり、確かにかの有名な幽霊も登場しますが、幽霊以上に恐ろしいのは人間の方でございまして、恐るべき因縁と業が絡まり合います。色や欲に溺れ、裏切りと殺しが続き、そこに自己犠牲と忠義が加わり、様々な物語が錯綜しつつ、感動の大団円へと進むのあります。
どこを読んでも味わい深く面白い、驚くべき作品であります。

幽霊話と敵討ちの2本立て!!
「真景累ヶ淵」を先に読んでいたので、ちょっとのんびりとした展開に、何か物足りなさを感じてしまいました。江戸っ子が大好きな(?)幽霊話と敵討ちの話の2本立てといった趣なのですが、この二つの話があまり絡み合ってこなくて・・・。娘が恋するあまり幽霊になってしまうという設定や、足がない幽霊のはずなのに下駄のカラ〜ン、コロ〜ンという音が聞こえてくるあたりの風情は凄く好きです!!

見事なストーリー展開!
登場人物のそれぞれの関係が見事に描かれています。別の所で起こっている出来事なのに、実は全部繋がっているという見事なストーリー展開はミステリーを読んでいるように途中で止められなくなります!恐い描写も少しありますが、とにかくストーリーが面白いです!また、昔言葉の綺麗な言葉の流れもぜひ、味わってほしい本です。