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「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)
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発売日:1979-01
ランキング:5534
おすすめ度:5.0 | レビュー数:11
おすすめ度:5一見、堅そうですが、断じて「楽しい魅力あふれる最高レベルの本」です!
名著とは、こういう本のことを言うのであると思います。 「粋でイナセ」とは昔からよく聞く、気持ちの良い大人の人間という意味の言葉だったとなんとなく思っていました。実際、だいたいその通りだと思います。 しかしこの「いき」について、ここまで徹底的に正確に、徹底的に分析した著者はすごいとしか言いようがありません。 私はこういう説得力のある文章には、めったに出会えないと思いました。 一見、堅そうな内容の本のように見えますが、読めば誰もが「いき」な大人になりたい!と思うような、魅力ある楽しい内容です。 ビートたけしは、あるテレビ番組で「これからもっと『粋』な人になっていきたい」と語っていましたが、読書家であるたけしはおそらくすでに本書を読んでいることと思います。
おすすめ度:5抽象的知的作業の教科書。
「粋」とはいったい何であるか、というのを、ロジカルに究明しています。その内容がどんなものなのか、というより、物事の考察の進め方において、非常に勉強になる本だと思いました。 1.まず本質を抜き取る 「粋だねえ」、というときに思い浮かぶのは、たとえばお祭りでの威勢のいい声だったり、凛とした正座姿だったり、地味な表地に派手な裏地だったりといろいろとがあります。しかし、こういう現象を見つめるだけでは、一向に「いき」の意味にたどり着くことができません。特に、「いき」のように、非常に広い範囲で使われ続けている言葉に対しては。 物事の意味を考えるときには、個別具体的な事象から、まず本質を抜き取る必要があります。 その本質の抜き取り方として著者が行っているのは、以下の2点です。 1)まず、ベースとなる概念をもってくる(宝石で言うと原石を持ってくる) 2)その概念を、他の視点をフィルターにして狭める。(宝石を削って宝石にする) 著者は、1)において、「いき」のベースとなるのはセックスアピール(媚態)とし、2)次いで、「意気地」と「諦め(運命に対してきっぱりとした姿)」によってフィルターをかけて、「いき」という言葉の意味を汲み取っています。 フィルターは、当然ながら、ベースとなる概念に関連したものでないといけません。著者が「意気地」と「諦め」をフィルターとして用いた理由は、セックスアピールというのは、不確実な運命の下でこそ存在しうるものだからです(たとえばすでに男女関係ががっちり固まっていて動かす余地がないのなら、セックスアピールの存在はあまりない)。不確実性を耐え抜くために意気地が必要だし、時には運命に対して諦め(Letitbe的な心境)る心構えも必要になるでしょう。 2.座標軸に配置する そして、次に、他の概念との位置関係を把握します。 渋み・野暮、意地・甘味、上品・下品、地味・派手を座標軸として、著者は「いき」の外延的構造をより明確にしようとします。 この座標軸を設定するにおいても、当然ながら、「いき」そのものへの理解が必要です。そうやって、「いき」に関連する概念たちとの比較により、概念の意味はより明確化されていくことでしょう。 3.現場を見る そして、ここまでした後に、初めて、「いき」にあふれている現場について考えを巡らせるわけです。すると、服装や声の出し方、美術など、すべての日本的なものに含められている「いき」という概念が、雑多な寄せ集めとしてでなく、一つの正しいロジックにしたがったものなのであることに気づくことになります。 知的作業をするときの教科書みたいな考え方の本でした。
おすすめ度:4寅さんを連想!
本書を斜め読みして、「男はつらいよ」の寅さんを連想した。 マドンナにすぐ恋をして、江戸っ子のかっこよさにこだわり、すぐに恋をあきらめてしまう。媚態と意気と諦めの「いき」そのものといっていいかも。茶色の背広(縦縞ではないが)と青色のダボシャツも「いき」な色だ。 日本人の心に「いき」への憧れは根付いていることにあらためて気づいた。
おすすめ度:4気迫を感じる
「いき」のキーワードは「媚態」「意気地」「諦め」の3つ。 異性に対しての「媚態」を基調とし、 武士道の理想主義の表れである「意気地」、 仏教の非現実性としての「諦め」を内包したものが、 「いき」という概念であり、日本人特有の意識現象である。 著者の「いき」に対する考察力に気迫すら感じたこの本。 「いき」の要素を六面体にして表したところなど、 発想の仕方がすごい! ここまで踏み込んでものごとを考えられる著者の勇敢さ、 鋭さに驚いた。ぜひ参考にしたい。
おすすめ度:5脱帽。
面白いです。最初のページを読み出した瞬間から九鬼氏の言葉が驚くほどするすると脳に入っていく、こういう快感を最後に味わったのはいつだろうか?うーんちょっと興味は有るけど、なんかむずかしそー。と思ってるそこの貴方。これは本当に名作です。是非、是非、読んでください。
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