
ベストな入門書
著者は元共同通信社の記者、編集局長。
暦年勤め上げた経験の上に書かれているから、説得力がある。
内容、文章も簡潔にまとめられていて、入門書に最適。
理想主義だと言われるかもしれないが、ジャーナリストなんて理想抱えてなんぼのものである。
しかしマスコミで働く中で、多くの若者の理想や信念が崩れていってしまうのも事実だ。
日本では特にそうかもしれない。そこに、著者のジレンマも垣間見える。
印象に残った一文がある。
「ジャーナリストにとって、国籍はフィクションである」。
民族紛争・ナショナリズム・宗教問題の加熱に向かって、世界の歯車が回転している現代では、なお身に染みる言葉だ。

ジャーナリズム
第七章「ジャーナリズムと人権思想」を読みたくて購入。
薄い本なので概説的ではあるが、報道の持つ問題点を多方面にわたり指摘している。
ジャーナリストの立場からみた人権と報道の問題に対する意見は、参考になった。
しかし、筆者の意見にはあまり賛成できない。
筆者の見解は、まるでジャーナリストを『時代記録ロボット』と捕らえているかのようにみえる。
甘いと言われるかもしれないが、人は、職業的プロである前に、一人の人間ではないのだろうか。
本書にも登場する『ハゲワシと少女』の作者を評価する気にはとてもなれない。