
取材した日本古来の神々を生き生きと伝える
神の原型に迫りたいと思うとき、本書は光彩を放つ。
記紀以前の日本の神々の手がかりを奄美・沖縄の神々の中にその手がかりを求めることができる。南の島の菫ほどの小さな神々に心を寄せ、それらの「小さく」「可畏き」神々が必ずや日本人の根底に横たわる世界観や死生観を解明する手引きになると著者は考えた。本居宣長は「可畏きものもの」をカミと言った(「古事記伝」)。この定義ほど日本の神の本質を言い当てたものはない。
人の一生の中で誕生の時期は最大の危機であった。八重山では、生れたばかりの子供が初めて外出するときは、鍋墨で×印や十印を顔につけられた。これは邪神の侵入を防ぐまじないであった。喜界島では、子どもが生れると、母が臍をついでいる間、家人の誰かがウブガミの代わりにイヤギ(斎矢木)をさす。「魔がさす」という言葉もこのあたりに由来するものであろう。
神々は一様ではない。日本列島の中央部である葦原中国にも異風、異俗の神がわがもの顔に横行した。特に夜は「可畏きもの」たちの跳梁する舞台であった。古代日本と八重山の双方に、はるかな時空を超えて、夜は人間の力を超えた゜神の世界であるとする考えがあった。
「万葉集」には「不相鬼故(逢はぬものゆゑ)」のように「オニ」を「モノ」と訓む。「カミ」の否定的側面を表したものとみることができる。先住の神を「邪(あ)しき鬼(もの)」呼ばわりしたのである。
本書には、実にさまざまな日本古来の神々が紹介されて、読者を飽きさせない。

「日本」を知るために、すべての議論に先立って読むべき本
「日本」の基層信仰のエッセンス、つまり「日本人」の心のありようの基底が、ぎっしり詰まった本。
記紀のみならず、列島各地を隈なく見、聞き取り、書き取った膨大な蓄積を背景に、深い洞察の言葉が紡ぎ出される。1行、1行が珠玉だ。思索と経験の密度は尋常ではなく途中、瞑目すること、しばしばであった。
何度でも読み返す価値のある本が新書で入手できるとは読書界の財産といえる。「日本」「日本人」の本当を知るために、すべての議論に先立って読むべき本です。

妹萌え
妹萌えの古代史的基礎がわかる。萌えをやるなら必読だろう。ていうか本書からは強烈に「ああ、この人本当に神様に萌えてるんだな」という感じが伝わってくる。後半になればなるほど、妹萌えへのスパートが掛かってくる。後半から読み始め、改めて前半を読み直した方が、退屈しないだろう。

平易な でも コワイ要素を秘めた入門書
日本の神様たちにはどんな民俗学的解釈があるかについてひととり並べた入門書?ただこれを記紀にぶつけると、一挙に天皇権の相対化に通じ、天照の末裔も神々の中の一人にしてしまう。だから民俗学は怖い

雑学が増えました。
これを読んで、地域ごとに生きている神を知る事が出来ました。私は栃木県の人間ですが、これを読んで初めて、益子町の古い習慣を知りました。興味がある方は、ぜひ買ってみて下さい。