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未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)
発送:通常24時間以内に発送
発売日:2003-09-20
ランキング:31536
おすすめ度:4.0 | レビュー数:12
おすすめ度:5何度も買いました
この本を何度も買いました。町の議員さんや図書館でボランティアをしている人など、いろいろな人に読んでもらいました。 図書館が何のためにあるのかについて、ニューヨークのルポはわかりやすく伝えやすい事例です。ホームレスの人が図書館のPCを利用してビジネスをしているのを見た著者が、図書館員に善悪を尋ねる場面があります。この図書館員の回答が、未来の町をつくるために行政ができることをあらわしていると思います。
おすすめ度:5アメリカの知のフロンティア精神とそれを支える公立図書館の凄さ
図書館大好き人間ですが、あるとき、「今後の図書館の理想像はどのようなものか」ふと思った。きっかけは、世の中が知識・情報化社会が中心となっていく一方、疲弊する地方経済が抜け出すには、市民一人ひとりの知的財産の積上げしかないのではないか、その役割の中心は図書館が担うべきなのではという考えだった。その後も自分なりに考えてみたが、たいしたアイデアが浮かばない中で、本書に出会い、目から鱗が落ちる感覚を覚えた。 感銘を受けたのは、「無名の市民の潜在能力に賭け、それに対して惜しみない援助を与える前向きな姿勢と懐の深さは、アメリカの繁栄を支える大きな柱である。その中で図書館は、単に本を無料で貸し出す場ではなく、市民一人ひとりが持つ潜在能力を引き出し、社会を活性化させる極めて重要なインフラである。」 つまり、根底には個人が力をつけることが、やがては社会全体を潤すことにつながると、明確に認識されており、そのためのインフラ造りには投資を惜しまないという想いである。(P20〜22) 公立図書館の充実は、「A組織の後ろ盾を持たない市民の調査能力を高める、B新規事業の誕生を促し、経済活動を活性化させる、C文化・芸術関連の新たな才能を育てる、D多様な観点から物事を考え、新たな価値を生み出す、Eコンピュータを使いこなす能力をはじめ、市民の情報活用能力を強化する、といった効果をもたらす」という点も共感できる。 社会の急速な変化に対応するためには、個人がパワーをつけることが今後ますます重要になる。そのためにも、眠れる人材を支援し、それを社会に還元するためのシステム、「知のインフラ」としての図書館を今こそ見直すべきだと主張する。 アメリカの公立図書館での取り組みはここでは書ききれないほど示唆に富んでおり、一読する価値あります。 皆さんの地元の図書館どうですか?
おすすめ度:1驚きの図書館
!!の連続である。この本ではニューヨーク公共図書館についてかいてある。わたしは図書館司書課程のレポートを書くために読んだのだが、ニューヨークの図書館は日本のものとはまったく違う。図書館司書を目指すものにはぜひ読んでもらいたい一冊。ニューヨーク公共図書館には起業・芸術の支援、医療情報が充実しており、図書館に通っていて、夢をかなえることができた人が多く存在するくらいだ。市民の多くが図書館に満足し、必要としている。そんな図書館に興味をもったら、ぜひ読んでみてほしい。
おすすめ度:4知識社会の拠点としての図書館
本書は、ニューヨーク公共図書館に関する綿密な実地調査から、その歴史と実態を明らかにし、情報社会時代の図書館のあり方を提言するものである。ニューヨーク公共図書館は、いわゆる非営利団体が運営する独立したものである。これは、資産家が近代国家の基礎的インフラとして資金を提供して発足したことに立脚する。それ以降も、図書館の活用によって機会をつかみ、財を成した各分野の人々が多数、寄付を行っており、これが財政基盤となっている。さらには、専門の資金調達部門を設置し、広く資金を募る活動も紹介されている。こうした基盤に立脚するこの図書館は、単に「無料貸し本屋」ではなく、人類の知全体に、可能な限りアクセスを保障しようとして、さまざまな試みを行っている。資料収集の範囲も、芸術分野、行政情報にも及び非常に多岐である。そして、単に収集・保存ではなく、「如何に利用者に活用してもらえるか」という観点から、レファレンス機能の強化など、積極的な取り組みを行っている。本書でたびたび利用者・利用経験者が紹介されるが、こうした知的インフラの整備は、情報弱者への知識アクセスの保障による福祉依存の回避、向上心のある著述家・芸術家などが集まることによる経済効果、起業促進による地域経済への効果と、その肯定面は数え切れない。すなわち、知識社会・知識経済へと移行した現在、如何に「知」へのアクセスをすべての人に保障していくことこそが、最大の経済効果、福祉効果、社会効果を生むということが明らかになっている。ここに図書館を中心とした「知的インフラ」の整備こそが喫緊の課題であるといえる。すでに時代的役割を終えた「ハコモノ」整備が如何に無駄かは明白だ。この意味で、著者も指摘するように、日本においては、単なる行政機関の末端としてしか位置づけられていない図書館の体質転換が急務である。
おすすめ度:5知的創造空間としての図書館とは
図書館という存在なるものについて一から考えるいいチャンスをこの本が提供してくれていると言えます。実は、G7各国との比較において、日本は図書館後進国(最下位)なのだそうだ。日本の公共図書館は、無料で借りられる貸し本屋と揶揄されているのです。昨今、知識社会・知識経済と言われる世界において、このような状況は日本国いや日本人にどのような未来をもたらすことになるのでしょうか。「ニューヨーク公共図書館」は、日本の公共図書館から連想するイメージとは、はるかにかけ離れており、民主主義の国アメリカとの歴然とした差を改めて感じさせます。その凄いところは以下の通りです。① ニューヨーク公共図書館はNPOが運営、明確な目的があり、あるべき姿を追求② 民主主義のベースとなる情報拠点:情報公開・共有・偏りのない情報収集③ 偏りのない公平な歴史の記録を残すという徹底したアーカイブ(保存)としての機能④ 4つの研究図書館と85の分館から構成:規模の凄さと高い専門性、科学産業ビジネス図書館なるものも存在⑤ 3700人というスタッフ、司書の高い専門性(目利き)による資料の選択・収集・保管、電子情報の活用、高度な検索システム⑥ 市民への情報リテラシー教育サービス・無料ビジネスコンサルタントサービス⑦ 市民のコミュニケーション、コミュニティの空間としての図書館この本の最後の部分に、むすびとして、日本の図書館に対する提言があります。ただ、著者がこの分野の研究の第一人者だとすれば、日本独自の図書館の再定義、実行レベルの具体的施策提案が必要だったと思います。
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