
なにをもって「平和」とするか
「平和」にはさまざまな側面があり、テーマとしては非常に難しいものである。
しかしそれが平易に書かれている。
戦争がない状態が「平和」なのではなく、貧困などの構造的暴力の存在も、平和を脅かすものだと考えている。
その内容は厳選され、それぞれが密接に関わりあっているということがよくわかる。
また現在の国連ができることの限界に触れ、どういった事情でそれが限界となっているのか、また今後の国連の可能性にも触れている。
高校生にも読める良書。

「平和」をめぐる基本的論点
「平和」とは何か。どうすれば「平和」になるのか。
こうした問題を考えるにあたっての基本的な論点が網羅されている、コンパクトでよくまとまった「平和」入門である。著者自身は国際法や国際機構論の専門家であり、基本的にはその観点から議論が進められていく。とは言え、必ずしも法律論・制度論に終始するのではなく、その中にあっても、さらに広い「平和学」としての立場を志向していることが感じられる。
誠実で流麗な文体で綴られているので、読み通すことにそれほど苦労はしない。入門書として使い勝手のいい一冊である。

法律の国際化
憲法は国際的に承認あるいは準拠するべき事が示唆されました。法律は自国だけでなく、他国とも整合性を持つ必要があります。放射線防護の国内法律は国際放射線防護委員会の勧告に準拠し成立しています。国際的認知されたのが国内憲法の時代となると確信しました。
時代を開く人が指導者です。人権を守る人が指導者です。
「世界の中に自分の居場所がなくなるとき、どこにいけば自分の愛する者とあえか分からなくなるとき、海に出た夫がかえってこないとき、平和は死ぬ」
人権は平和です。
著者の優しさにあふれた文章は人柄が分かります。今の時代、刺々しくないほっとする文章です。それでいて理路整然として久しぶりに楽しく読みました。

「平和」について思考を練り上げる一冊
■「いま平和とは」(NHK人間講座/2004年秋)のテキストが再構成され、
<人権と人道をめぐる9話>の副題を付して、
新しく岩波新書から出版されたものです。
編集部によれば、平和という未完の課題をしっかりと見据えて、
未来をしなやかに展望するこの本が、
まさに新書1000点の節目の巻にふさわしいと思い選んだとのこと。
約5割増しの加筆になったと著者がいっているが、
テキストと新書の章立てを比べてみると、
・第6話平和と人権と市民たち――市民社会の世界化へ
・第7話核と殲滅の思想――人間の忘却としての平和破壊
・第9話隣人との平和――自分を閉じ込めてはならない
あたりを中心に、新しく書き起こされています。
■なお「テキストに盛り込んだ内容はできるだけ残し・・・」といっておられるが、
テキストにあって新書に無いものがあります。。
テキストでは叙述に関連し多くの写真が掲載されていたにもかかわらず、
新書では各章ごとの初めのペ−ジに一枚ずつ掲載されているのみ。
テキストの中で強烈なメッセ−ジを発信していた写真がなくなっているのが、
とても残念です。
それだけにかつて放映された際のNHKのテキストは、
その映像とともに、新書には無い独自の価値があると思います。