
なぜ?どうして?社会的背景を見逃すな!
何が問題なのか。本質を追求しながら、児童相談所では限界があると筆者は嘆いているようにも感じる。社会の規範や倫理が著しく狂っている今だからこそ、絶対に守らなければならない、人間の尊厳。虐待への取り組みは、時代と共に変化し、複雑化する。専門性の大切さと行政機関としての構造上の欠点にまでも目を向けた提言になっています。

全ての福祉問題の根底には貧困が横たわっている
戦後60年を経て、我々は未だに貧困問題を解決できないばかりか、むしろ格差が拡大していることをどのように考えるべきなのか。筆者の投げかける問いの重さに呻吟するばかりである。
さらに、公務員の世界における福祉担当者の地位の低さを思うと、この闇の明けるときがくるのだろうかと考えさせられた。

的確な現状認識なくして解決はあり得ない
現役児童福祉司(京都府宇治児童相談所)による児童虐待の現状について書かれた絶好の書。
児童虐待問題は児童にとどまらず家庭全体の問題であることが往々にしてあり、その解決がない限り児童虐待の解決とは言えません。また、家族の分離と再統合という、相反する役割を児童相談所というひとつの機関が担わされている現状は、とくに再統合について児童相談所が行なうことを困難にしています。また、現状では児童相談所の強権が行政の判断のみで行使できてしまい、私権の保護のあり方として適当ではありません。そうした現状を踏まえた上で解決策として児童相談職員の大幅な増員と司法の介入を著者は提言しています。
明快な論理で現状と解決策までが展望できました。

餓死事件をどう考えるのかな
この本を読んで、日本の福祉の貧しさを知りました。幼い子どもたちや幼い子どもたちを大変な思いで育てている家庭を無視して発展してきたのが日本の実情ですよね。
でも、この本が出されて起きてしまった、同じ京都の児童相談所の著者が、3歳児の虐待事件をどう考えるか是非とも次の本で読みたいと思いました。

実態がよくわかる
児童相談所の現場のプロが書いた本。現場で苦しむ子供、虐待する親、関係者の姿が生々しく描写されている。「桁違い」にお粗末な日本の支援体制も。百のニュースよりこの本を読んだ方がよい。