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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)

幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)
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発売日:2006-11
ランキング:49977
おすすめ度:4.0 | レビュー数:16
おすすめ度:5この時代に生きたいか?
いまになって振り返ってみれば「お侍の鎖国時代から近代国家への脱皮」でまとめられてしまう幕末・維新。けれども近代国家に落ち着くまでの騒動は無理難題と不条理に満ちた奇々怪々で常軌を逸した事件の連続であった。主役が藩から個人に移り、主役の個人もころころ代わり、日本と交渉しようとする外国人たちもさぞ迷ったことにちがいない。人権や命の重さや保証などという概念のまったく存在しなかった力と運の時代を理想の時代と祭り上げる安易さは、本書を読んで今一度再考すべきだろう。
おすすめ度:2偽りの明治維新?
明治初期の「解放令」に民衆が反発して被差別部落を襲撃したのも、 前近代の民衆社会が「成熟」していたことの証なんでしょうか? この本はまず結論ありきで、それを証拠立てるために エピソードが羅列されるという感じです。 「幕府はすばらしかった、薩長は卑怯で非情だった、 江戸時代の民衆は豊かで、開国によりさらに富んだ」 その主張に都合の良い事実は過大に書かれ、都合の悪い事実には まったく触れられません。 それ以前に著者は上記の主張に関わるエピソードに紙幅を費やし、 メインストリームである国内政治権力の移動と盛衰の描写については 通説俗説の枠を出ておらず、事実関係にも不正確な点があり、 はっきり言えば、いい加減です。 徳川幕府が著者の主張するとおり「成熟」したすばらしいものだったら、 なぜ倒れたのか。 この本を読んでも理解はできないと思います。 著者がどんなに19世紀西洋人のごとく 有色人種の「半未開」を賞賛し、 その中で危機感と向上心を抱いて「開化」をめざした 者たちを非難しようと、明治維新が日本を救ったことは否定できません。 少なくとも「通史」として岩波新書のブランドを背負うに足る 書物だとはとても思えません。 (ある意味岩波にふさわしいのか?)
おすすめ度:4愚者は経験に学び、知者は歴史に学ぶ
B29に竹槍で挑む、などと強弁して憚らぬ輩がいた。黒船の号砲に「尊皇攘夷」と吹き 上がる輩がいた。今日も、外資やグローバリゼーションの接近に対して単調な品格や武士道を 語る(否、騙る?)輩が後を絶たない。 しかし、そのような己の無謬を信じて疑わぬ原理主義者たちをよそに、「夷を以って夷を 制す」したたかさで、外国と渡り合った男たちもいた。彼らはその論理能力によって「夷」と 正面から向き合い、自国の国益もその論理に従って思索した。「黒土も辞さず」は真に政治を 担うべき資質の著しい欠如の証明。幕末の日本、論理を語る彼らの姿勢はまさに国士たる 振る舞い、実に胸のすくような思いがする。 井上氏が本書において提示した開国から維新へと向かう歴史観はいかにも野心的、それこそ 議論や異存の余地は多々あろう、しかし、一定の支持に値するものと私は見受ける。 とりあえずの疑問点を私なりに一点挙げる。それは最終章のアジアをめぐる議論の説得力。 福沢諭吉が「脱亜入欧」を説いたのは、まさに中国朝鮮に例の論理的態度が欠けていたからに 他ならない。 こうした問題についても、まさに論理的、説得的な議論が興ることを望む次第。
おすすめ度:1強引、倒錯
冒頭から振るっている。 ペリーの遠征記にネルソン・マンデラの 先祖の話が載っているなど興味深い。 「未開」というのは当時の西洋の基準で 今日の視点から江戸の「半未開」を 再評価する本だという。 韓国と日本の民度を比較する。 民衆運動、一揆の強度や頻度が 韓国のほうが多く、盛んである。 だから民度が高く「未開」でないという 立論は、相当に強引である。 「乱」で民度を計るとは 治安という尺度を一切放擲する 意図であるのだろうか???
おすすめ度:3外交史から見た視点としては好著であるが・・・
以前、「その時歴史は動いた」で井上氏の対ハリス交渉に関して関心したので購入した本である。その部分を読む限りでは、問題はない事はない。 但し、幕末通史として読むと問題点がありすぎる。岩波から出ているだけに、遠山茂樹が語る明治維新革命否定史観がそこはなに臭う部分もないではない。特に著者の江戸時代の考えについてはあまりいだだけない。 幕末末期の飢餓状態と収奪強化による一揆勃発について、緩やかな支配というのはトンデモにしか聞こえない。更に、考現学的な批判として明治時代の政策を否定したいようにも聞こえる。これについては、歴史の発展についてを否定されているようにも聞こえる。 なにやらイデオロギー論に引っ張られているようにも聞こえるが、論者のうがった見方であろうか?
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