
北方領土問題を考える上で最良の参考書です
日本政府の北方領土の論拠は、1980年代中ごろまで「南千島は千島ではない」が前面に出ていました。これは、下田条約・千島樺太交換条約の日本語条文で、クリル群島がウルップ以北と読めるためです。本書の著者である和田春樹氏は、政府の論拠は、日本語の誤訳に基づく誤解であり、条約の他の言語を読む限り日本政府の論拠は成立しないことを明らかにしました。和田論文以降、政府の北方領土の論拠は「固有の領土」論が前面に出るようになっているようです。本書は、北方領土の歴史から説き起こし、外交文書の検討等、詳細緻密な考察により、北方領土問題を冷静に考察しています。また、その上に立って、日露関係を見直しています。北方領土問題を、感情に流されることなく、まじめにまともに考えようとする人には恰好の参考書です。

北方領土問題と今後のロシアとの関係
北方領土問題の長期的歴史や両国間の合意形成を通して、ロシアとの関係を考える本です。日本人がロシアと歴史的にどの様に接してきたのか、また彼国をどの様に見てきたのかを理解する手がかりになると思います。