
もしかして、比較が恣意的?
この本の長所
1、子どもにどう自信をつけさせるかを、親や教師、地域社会に提言をしているところ。
2、女性学的観点から、保守派の教育政策、思想を有効に批判できているところ。
3、教育現場の分析がよく出来ているところ。
この本の短所
1、なぜ、日本と、中国、アメリカ、スウェーデンとを比較しているのかわからない。著者の主張「自立が自信につながる」という主張を裏書するような比較をしているのではないか(p30で言及されている「パラサイト・シングル」は、決して日本独自のものではなく、イタリアでもあるのに、比較の対象としていないということは、著者の主張に都合のよい比較をしているといわれても仕方がない)。
2、文化論的な大きな視点がないところ(特に日本と中国の比較において。ともに儒教の影響が大きい)。
3、経済的な分析はイマイチ(アメリカやスウェーデンで親が自立させるのは、親の経済的要素が大きいのではないか(アメリカでも、昔は大学生は親ががりだったというのをある本で読んだことがある))。
結論―長所星5つ、短所で星1つ減らして、星4つ。

青少年犯罪の原因も!?
どこにも実行するものと評論するものがいる、与党として行動するものと野党として批判だけするものがいる。著者は教育者として身体をはって体験&データ収集を行い、結果をさまざまな文献と比較・分析した上で、何をなすべきか具体的な提言をする。すさまじいエネルギーを感じさせる良書。特に青少年犯罪を扱った本ではないし、内容として取り上げているわけでもないが、原因の一端がどこにあるかを教えてくれる。注意を向けてもらえない子ども、自信のない子ども、弱い子ども、自己主張を抑圧される環境の子どもが少しでも減れば、犯罪は少なくなるのではないか。興味本位の犯罪報道ではなく、マスコミを含め、みんなが心に手をあてて考えなくてはならないことを本書は教えてくれる。わたしは本書を読みながら、親に意見を述べることを「口答え」として許されなかった子供時代に思いをはせた。いつも弟妹のお手本となる行動を要求された。今でこそ誰も信じてくれないが、いつでも遠慮して自分を抑えていた。メンターと呼ばれるよき助言者、指導者が身近にいたら、はっきり意見を述べることを奨励する環境で育ったら、自分の人生はもっと変わっていたかもしれない。今からでも遅くない。自分に自信を持ち、もっともっと強い(=優しい)人間になろう。

日本の親は一見過保護だと思われているが・・・
日本の親は一見過保護だと思われていますが、実際ティーンたちの多くが無関心型だと思っているという統計に納得しました。確かに、身の回りの世話をかいがいしくやいたり、外で犯罪などに遭わないよううるさく言ったりはするでしょう。でも、実はそれは世間体を気にしてのことだけだったり、どんな風に子供と接したらいいか分からない親が多く、本当の意味での家族との心の絆がない、と心に空虚さを抱えているティーンが多いのでしょう。また、フェミニズムの観点から書いた「女の子はキレイでいなければいけないプレッシャー」「流行の洋服や化粧品など、ティーンは無意識の内にマーケットから狙われている」などは多くの大人の女性も共感したのではないでしょうか?自分のティーン時代を改めて振り返ったり、これからの自分の人生や現在の社会の歪みについて深く考えさせられた本でした。

読みやすくて面白いので、お勧めします。
世界4都市4,000人の声には迫力があります。それをやさしい文章で分析してあって、すごく読みやすいです。意外な発見が多々あり、私が子どもに偏見を持っていたことを知りました。思春期の子どもを持つ親や教師は必見だと思いますが、普段子どもに触れない私も興味深く読めました。調査対象は思春期の子どもであっても、導き出された「自信力」は誰にでも応用できるものなんですね。

子供たちにもっと愛情を!
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