
参議院選挙の前に。
読み物としては大変おもしろい本だ。日頃、テレビや新聞で見る政治家たちを、自らが政治家であるということを忘れないようにしながら、精神科医の視点から痛快にこきおろす文章は、「芸」の領域に達している。「自己愛」が異常に肥大化した存在=政治家という図式は、わかりやすくもあり、納得のいくものでもある。「市民派」の政治家、いいかえるならば、社会のおかしな点をかえていくことに全力を尽くすタイプの政治家と、既得権益を破壊しないことが一番というタイプの政治家との対比も、そうだ。実にわかりやすい。ずーっとそうだ。この本は非常に理解しやすい。どのページをめくっても、著者の記述していることが、わかりにくいと感じることはない。そこが少し物足りなかった。政治という現象はそんなに単純じゃないのでは、と思ったからだ。

選挙人 必読!!
本書を読みながら、テレビに登場する政治家たちの姿を思い浮かべた。とても興奮し、かつ憤ッた。政治家は『自己愛』に生きる動物である。自らを議員というラベルで権威付け溺愛する。特権意識が社会から自らを乖離させている。小泉純一郎、田中真紀子などの人物評価も的を得ている。政治家は自らを律せず、人々は政治家の質を見ない。著者の言葉は、この国の人間全てが共有していかなければならない判断基準だと思う。

「自己愛」から政治の抱える問題に切り込む鋭さ!
精神科医である彼女が、「自己愛」という視点から精神分析の手法をとって、実は個別個別の政治家というよりも、永田町やいわゆる「政治」が抱えている問題に鋭く切り込んでいる。二世議員はなぜ保身に走るのか。目的志向の市民派議員はなぜかけひきが苦手なのかなどという問題が、わかりやすいケースとともに書かれている。だが、筆者はこうした分析をするだけにとどまらず、「ならば政治の世界をどう変えていけばいいのか」という提言をまとめている。政治不信の今、ぜひオススメしたい一冊である。