
ドラマと違って鷲津に感情移入できませんでした
先日テレビドラマの再放送を見た後、本作を読みましたが、
あまりにも設定が違いすぎるので、衝撃を受けました。
ドラマでは以前、三葉銀行に勤めていたときに「事件」が起きたという
鷲津の過去があるため、彼に感情移入できましたが、
本作の鷲津には、特に感じるものがありませんでした。
また、貴子という女性の父親が娘が退陣しろと言っても承服しないのに、
彼が敬服している元首相の前だと舞い上がってしまうというのは、
このような親子関係など、読んでいて鬱になるものでした。
この世界に生きている人たちの仕事に対する思いというのが私には全く理解できないので、
作品世界に入っていきにくかったです。
元々、本作のような世界にあまり関心がないという理由もありますが
(実在の人物が出てくる「小説東急王国」や「小説小林一三」は大変面白かったのですが)、
個人的には、それほどの引きは感じませんでした。
企業再生という題材は「お勉強」にはなりますが、
あまりにもドラマチックな作りだったドラマと比べると、「普通」の作品という認識しか持てませんでしたね。

続編を前提にして書いているのではないか
企業再生ファンドを基にした経済小説
解りやすい文書で一気に引きずり込まれるように読みました.
下巻は,上巻よりも金融の知識が少なくなり経済小説を楽しむというよりも
経済を基にしたミステリーという色合いが濃くなっています.
評価が5でないのは経済の色合いが薄れたためであり,感情などの
小説的な内容を楽しむ人にはとても楽しい本ではないかと考えます.
元々が新聞記者であった作者の性格か,丹念に調査し
調査からのイメージを基に作品を作っているところが随所に
感じられ,とてもすばらしいと思います.
脇を固める登場人物も丹念に書かれている本作品を映像に
するのは中々難しい,それほど良い作品だと思います.

上下一気によめます。
メガバンクの不良債権問題も複雑に絡まってる問題で、
これまで現実では分かりにくい事も多かったが、
実は単なるお金の戦いだけでなく、人対人である部分も多く、
またどこと手を組むかで結果が大きく変わる。
大半が現実社会で起きていることだけに恐ろしい感じもした。

「ファンド」は、何を目指し、どういう役割を果たしているのか
実際に日本で起こっている企業の「再生」「合併」「買収」など、きれい事ではすまないドライな経済競争・経済戦争が、自分のような素人にもピリピリしたせめぎ合いを実感できるほどに、丁寧に描かれています。
特に、現実社会でも「ハゲタカ」として忌み嫌われている感のある「ファンド」が、何を目指し、どういう役割を果たしているのかが分かります。
それを象徴する鷲津という存在が、下巻の途中以降、さまざまな思いや背景が明らかになる中で、浮き彫りになってくる課程が、読者の「ファンド」に対する理解と重なるのは当然でしょう。

下巻も当然ドラマと別物!
下巻もドラマと全く別物の展開で、またびっくり。NHKさん…これだけテンポの良い
原作をあんなに重苦しいドラマに変えてしまうなんて…。フジテレビor日本テレビ
あたりで改めて原作重視のドラマを作って欲しいくらいです。
下巻も上巻同様に面白い。この巻は東ハトをモデルにしたとおぼしき太陽製菓買収の
話と上巻の続きでミカドホテルの話…そして上巻の冒頭に大蔵省で切腹した人物と
鷲津の意外な関係までが描かれている。
テンポ良く話が進んでいく上に、最後の大どんでん返しに息を呑む。もちろん下巻も
上巻同様の臨場感が「ハゲタカ」の身上。そして続いていくバイアウト(ハゲタカ2)
にも大いに期待です。