
巷に溢れる英語参考書で勉強を始める前に
本屋に行けば、英語学習書が所狭しと並べられている。その中には、
「英語耳」や「右脳学習」、「多読」などのキーワードが飛び交い、
どの参考書を信じて英語学習を始めればいいのか迷ってしまう。
本書は、第二言語習得研究(SLA)の入門書として、誰にでも気楽に
読めるように、こういった巷にあふれている英語学習に関する様々な
「噂」を、現在のSLA研究の成果を紹介しながら検証していく形式
になっている。具体的には、「英語耳、日本語耳という区別はあるのか」、
「英語学習は右脳で、日本語学習は左脳で行われるのか」、「多読で
英語力は上がるのか」等、全部で23のテーマの検証を行っている。
筆者たちも述べているように、現在学術分野で分かっている範囲のみを
書き、分からないところは分からないとはっきりと線引きをしている。
非常に平易に書かれているので、SLA研究の入門書として、また色々な
英語学習参考書を手に取る前に読んでみる価値がある本。

結局、何が有効かまだ分からないんだ
とても分かりやすく読みやすい本で、一般向けによくここまでかみ砕いて書いてくれたと感じる本です。
しかしながら、結局、何が外国語習得に効果的かは、科学的にはまだ分からないことの方が多いということのようです。
長年英語教育に携わり、日々、英語と格闘している私としては、非常に残念な読後感でした。
外国語学習の「非常識」については、実際の外国語教育の場でもおおむねその化けの皮がはがされており、効果がないことが認知されるとともに、淘汰されつつあると思います。
一方、経験則的に「どうやら、これは効果がありそうだ」ということがほぼ確実と思われる方法も、それなりに明らかになりつつあると感じます。
著者の言うように、「実際の外国語習得を科学的研究の対象にするのは難しい」「外国語習得研究と外国語学習研究は違う」というのは理解できます。
しかし、もう少し「理論」と「実践」の間をつなぎ、橋渡しするような研究が出てきてくれることを望みます。

英語習得に関心のある方へ
本書は世間に流布する外国語学習や第二言語習得に関連する「俗説」をとりあげ、それらが正しい根拠にもとづいた説なのかどうなのかを検証することを目的として書かれたものである。「繰り返し練習すると外国語は身につくか」など23個の検証がされている。ページ数もそれほど多くなく、手軽に読めるような構成になっている。最後には参考文献が掲載されており、興味があればさらに読み進められるようになっている点も評価できる。ただ第二言語習得の研究分野はまだ若く、断定的なまとめかたの一部には賛成しかねる部分もあるのは事実である。全体としては英語教師および英語学習者は本書を読むことでより英語習得に関する知識を得られよう。

一読の価値がある書籍としておすすめする
右脳英語教育などの俗説に批判的なことが書いてあったり、LとRの発音についてなどの記述は目を引く。
(門田修平氏の書籍によれば、イメージによる語彙の習得などは右脳を使っているそうだが)
筆者の分からないことは分からないと書いてあるのはいいが、白畑氏らの説に否定的な意見はさらっと流す傾向が見られる。
その最たるものが「現在の論文では確たる証拠がない」という類の否定に見られる著者の一方的な見解である。
研究者の論として、この種の否定はいささか強引な手法であり、多用すべきでないだろう。
仮説の検証でも疑問を持つ箇所も少なくないので、白畑氏が述べているようにこの書籍も批判的に読んだほうが良い。
批判的なレビューになったが、氏らは英語教育について他の書籍とは異なる視点で捉えている。
英語教育に関心のある方にとっては、一読の価値がある書籍としておすすめする。

価値ある本
特にビジネス書、幼児教育類にて根拠のない俗説が氾濫している中、この本は心強い。
検証を重ねる姿勢には好感が持てます。
やや走りすぎの感がありますが・・・。