
マネジメントという思想
大御所ドラッカーのエッセンスということで、タイトル
「みずから変化をつくりだせ」に惹かれて読んでみました。
小手先のノウハウでなく、マネジメントという思想、
フレームワークを丁寧に、わかりやすく説いた書でした。
ドラッカーの書籍や論文からの抜粋だそうですが、歴史、経営学、
経済学、組織学、経営管理など、多岐にわたった分野を統合して、
単なる管理監督ではなく、マネジメントという確固たる思索、思想
お感じ取ることができました。
イノベーションと起業家精神、さらに、起業家とマネジメント
の項も注目して読めました。付録の金融サービス業に関する
論考は、書かれた時期を考えると、ドラッカーの先見性に
驚きます。
事例として、米国欧州の企業はさることながら、日本と日本企業
にむけられた熱い視線も感じ取ることができ、うれしくなります。

マネジメントをより具体化
日本人の悪いところはマネジメントを理解していないこと。マネジメントはアドミニストレーションとは違う。ドラッカーの本書では、マネジメントをより具体的な行動規範へと昇華させ、企業戦略の内的要因の原動力と位置づける点に、実践的な面を感じる。読み返してみれば、また新たな発見があった。

全体をみる目
ひろく読まれるドラッカーだが,それはかれが巧みなエッセイストだからだろう。専門的な論文調ではなしに,自在にみずからの思想を書き記す。「利益など存在しない」等々,固定した見方に揺さぶりをかけ,ときに些事の堆積のように思われる仕事に,文明史的な光を投げかけ,意味づけ価値づける。しかし,ドラッカーの考えの全体をみて,その二本柱に気をつけて読まないと,良くも悪くも誤解するかもしれない。古くからのドラッカー読みにとっては既知のことだろうが,ドラッカーの根本的な人間理解は,キルケゴールゆずりのかなり厳しく孤独な精神的人間であり,その社会理想はトックヴィルゆずりのアメリカのニューイングランドのタウンシップにおける集団主義,および小集団から階層的に形成される民主的な立憲主義である。かれがリーダーについて語り,マネジメントを語るとき,つねにこうした社会全体像や人間像がある。これを見逃すと,ドラッカーの真意をつかみ損ねると思われる。もし最近の選集でなどでドラッカーを気に入ったら,ぜひ『すでに起こった未来』も併読してほしい。

マネジメントは管理ではない
マネジメントは管理ではない。マネジメントを管理だと考え、どうにも自分になじまないと感じているマネージャーや、管理者としてのマネージャーに日々不満を抱いている方には、ぜひ読んでいただきたい一冊。実際、マネジメントが管理するだけの非生産的な機能しかもたないものなら、その重要性がこれほど説かれることはない。それは生産の機能をもった組織において、まさにその生産性を向上させるために有効なひとつの機能こそがマネジメントである、ということがこの本を読めば納得できる。さまざまなドラッカーの著作から、ドラッカー自身がそのエッセンスを抽出して、一冊にまとめあげただけあって、手っ取り早く、そのマネジメントに対する考えを知りたい方には、おすすめします。

後継者を育て引き継ぐ
いつもながら、漠然とした自身の考えが、簡単な言葉で明確にされ、さらに具体的な対策と実施方法まで示されているところが今世紀最高の経営学者と言われるゆえんでしょう。分析のうまい評論家はたくさんいるのですが、「じゃあどうすれば良いの?」といった事に明確に具体的に応えてくれる方は本当にいないものです。ドラッガー先生が前作の「プロフェッショナルの条件」で志されていた、現代社会に自ら変化を起こし変化と共に成長する人物を多く育てたいという意図をより強く感じました。今著は「Management」に論点を移し、前著の専門家(プロフェショナル)とその専門家をマネージメントする(Managementfor・・・)で一つのセットになっています。蛇足ながら、原著に及ぶ訳著はないと思い、今回は原書の「ManagementChallengesForthe21stcentury」も合わせて読みましたが、邦訳には現れないユーモアのセンスをも感じました。